大阪・関西万博報道写真展レポート|閉幕から1年、「終わった万博」が今も動き続ける理由

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結論:万博は「終わったイベント」ではなく「続いている物語」だった

最初に結論です。共同通信社主催の「大阪・関西万博報道写真展 〜閉幕から1年 万博から始まった物語〜」は、単なる思い出の振り返り展ではありませんでした。解体が進む夢洲、各地を巡るミャクミャク像、2028年3月まで延長されたグッズ販売、そして次の国際博覧会GREEN×EXPO 2027へ――。この写真展が切り取っていたのは、閉幕後の1年間も止まることなく動き続けた「アフター万博」の姿そのものです。この記事では、会場で見た展示の構成と、パネルで紹介されていたアフター万博の具体的な動きを、公式情報や報道で確認できる範囲で整理してお伝えします。

基本情報(公式発表で確認できた内容)

  • 展覧会名:大阪・関西万博報道写真展 〜閉幕から1年 万博から始まった物語〜
  • 主催:共同通信社
  • 会期:2026年10月13日(火)〜10月19日(月)※会期は終了しています
  • 開場時間:10:00〜20:00(最終日は15:00閉場)
  • 会場:あべのハルカス近鉄本店 ウイング館4階 第2催会場(大阪市阿倍野区)
  • 入場料:無料
  • 章構成:第1章「解体とその後」/第2章「関西に広がるレガシー」/第3章「万博の記憶」/第4章「GREEN×EXPO 2027へ」

会場のあべのハルカス近鉄本店は、JR・地下鉄の天王寺駅や近鉄の大阪阿部野橋駅に直結する立地です。観覧にかかる時間は、写真を流し見するだけなら30分程度、パネルの文章までじっくり読むなら1時間以上は見ておきたいところです。

この記事の写真について

展示されている写真は、共同通信社のカメラマンが記録した報道写真であり、著作権は撮影者・配信元にあります。本記事では、展示写真そのものの接写は掲載せず、タイトルウォールや会場の様子が分かる「引き」の写真を中心に紹介します。

大阪・関西万博報道写真展のタイトルウォール

入口で迎えてくれるタイトルウォールと「旅立ち」

会場に入るとまず目に入るのが、展覧会のタイトルウォールです。脇には大屋根リングの写真パネルが置かれています。そして心を掴まれるのが、大型ウォール写真「旅立ち」です。閉幕後の東ゲートと、そこに立つミャクミャク像、そして大阪のスカイラインを収めた一枚。報道写真の力は、こういうところにあります。イベントの記録写真は「楽しかった思い出」を呼び起こすものですが、報道写真は「その場所で何が起きていたか」を事実として残すもの。「旅立ち」の一枚は、閉幕が「消滅」ではなく「移動の始まり」だったことを、言葉なしに伝えていました。

報道写真展の会場の様子

第1章「解体とその後」――夢洲は今、どうなっているのか

第1章のテーマは、閉幕後の夢洲です。中でも目を引いたのが、2026年6月に共同通信社のヘリコプターから撮影されたという夢洲会場の空撮パネルです。なお、会場には開催中の万博会場を大判で映した空撮ウォールもあり、「あの頃の夢洲」と「今の夢洲」を見比べられる構成になっています。ここで考えさせられるのは、「万博の会場は終わるとどうなるのか」という問いです。夢洲の今後については計画が進行中と報じられていますが、具体的な内容は変わっていくものなので、この記事では断定を避けます。もう一つ、この章で印象に残ったのは、写真に添えられたキャプションの存在です。撮影時期や場所が明記された短い説明文があることで、観る側は「いつの、どこの姿か」を正確に受け取れます。

報道写真展の会場の様子

なぜ「閉幕から1年」に写真展を開くのか

イベントの写真展は、たいてい開催期間中か直後に開かれるものです。ところがこの写真展の会期は、閉幕からちょうど1年後の2026年10月13日から19日まで。しかもタイトルに掲げられたのは「万博から始まった物語」という言葉でした。この「1年後」という設定に、主催した共同通信社の意図が表れています。通信社は、ニュースを速報するだけでなく、出来事の経過を記録し続ける役割を持つ報道機関です。この写真展は、点在するアフター万博のニュースを「4つの章」という一本の物語に編集し直して見せた企画だったと言えます。

ニュースパネルで読む「アフター万博」の動き

ミャクミャクグッズの販売は2028年3月まで延長

パネルで紹介されていた2026年3月16日のニュースが、「ミャクミャク商品販売延長、28年3月まで、人気根強く」です。日本国際博覧会協会は2026年3月16日の理事会で、公式キャラクター「ミャクミャク」グッズの製造・販売期間を、当初予定の2026年3月末から2028年3月末まで2年間延長することを決めました。推し活の視点で言えば、これは大きな話です。イベント終了とともにグッズが買えなくなるのが通常の流れなのに、ミャクミャクは閉幕後も「現役のキャラクター」として販売が続く。このブログでミャクミャクグッズを紹介し続けられるのも、この延長があってこそです。

ミャクミャクグッズは、ホビー通販でも探すことができます: ホビー通販サイト ホビーストック

報道写真展の会場の様子

万博とミャクミャクが「関西元気文化圏賞」大賞を受賞

関西元気文化圏推進協議会が主催する2025年の「関西元気文化圏賞」では、大賞に「EXPO2025大阪・関西万博と『ミャクミャク』」が選ばれ、2026年1月21日に大阪市内で贈呈式が行われました。

ラッピング車両とのお別れ

パネルには、2025年11月21日付で大阪メトロ御堂筋線の万博ラッピング車両とのお別れを伝えるニュースも並んでいました。

第2章「関西に広がるレガシー」――旅立ったものたちの、その後

ミャクミャク像は太陽の塔に会いに行った

東ゲートで来場者を迎えた、正座姿のミャクミャクモニュメント「いらっしゃい」。閉幕後、この像は2026年2月21日から万博記念公園(大阪府吹田市)の太陽の広場前に設置されました。万博記念公園の公式案内によれば、太陽の広場前での設置は2026年6月28日まで。その後は大阪府内の観光地などを巡回する計画とされ、展示パネルでは阪神なんば線「福駅」前に立つミャクミャク像の姿も紹介されていました(パネル上の表示期間は2026年9月4日〜11月30日)。

報道写真展の会場の様子

オーストリア館のグランドピアノは姫路へ

このピアノは、オーストリアのベーゼンドルファー社製で、内側に葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が描かれた世界に16台の限定モデル(自動演奏機能付き)。姫路市の公式発表によれば、姫路市がこのピアノを譲り受け、アクリエひめじで2026年2月22日にお披露目イベントが開かれました。

バルト館のミャクミャクぬいぐるみたち

会場には、バルト館(バルトパビリオン)のコーナーがありました。会期中の2025年5月、バルト館の入口に飾られていたミャクミャクのぬいぐるみが持ち去られる出来事がありました。一人残された同館のキャラクター「バラビちゃん」の様子がSNSで広がると、来場者が次々とミャクミャクのぬいぐるみを寄贈。最終的に集まったぬいぐるみは、病気で万博に来られない子どもたちのために大阪母子医療センターへ寄贈されたと伝えられています。バルト館のコーナーは、この写真展の中で最も温かい場所でした。

報道写真展の会場の様子

第3章「万博の記憶」・第4章「GREEN×EXPO 2027へ」

第3章「万博の記憶」は、万博を振り返る動画の鑑賞や、会場で実際に使われていたスタンプの設置が案内されていました。大阪・関西万博では、パビリオンや施設を巡ってスタンプを集める楽しみ方が大きなブームになりました。報道写真が「社会の記録」だとすれば、スタンプ帳は「個人の記録」です。そして最終章、第4章のテーマは「GREEN×EXPO 2027へ」。2027年3月19日から9月26日まで、横浜市で開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」を取り上げています。展示の流れが秀逸なのは、「解体」から始まって「次の博覧会」で終わる構成です。見終わった後に残るのは寂しさではなく、「じゃあ次は横浜だね」という前向きな気持ちでした。

報道写真展の会場の様子

報道写真という「記録」の意味

私たちがSNSに投稿する写真は「自分の思い出」のためのもの。一方、共同通信社のカメラマンが撮り続けた写真は、社会の出来事を後世に伝えるための公的な記録です。あべのハルカス近鉄本店では、2026年4月にも「開幕から1年」の節目に共同通信社主催の報道写真展が開かれました。今回の10月の写真展は、その続編として「閉幕後の1年」を記録したものと位置づけられます。レガシーという言葉は抽象的になりがちですが、この展示では、像の移設先、ピアノの行き先、グッズ販売の期限、受賞のニュースと、一つひとつが固有名詞と日付を持って示されます。

写真展の先にある「アフター万博歩き」の楽しみ方

まず、万博記念公園(大阪府吹田市)。ミャクミャクモニュメント「いらっしゃい」の現在の設置場所は、大阪府や2025年日本国際博覧会協会の公式発表で随時案内されるため、出かける前に必ず最新情報を確認してください。次に、アクリエひめじ(兵庫県姫路市)。オーストリア館のベーゼンドルファー社製グランドピアノは、アクリエひめじのメインスタジオで展示されると紹介されています。そして、ミャクミャクグッズの購入は2028年3月まで可能です。

まとめ:万博の物語は「閉幕後」にこそ面白くなる

  • 夢洲の解体は、終わりではなく土地の次の章への移行だった
  • ミャクミャク像とオーストリア館のピアノは、関西各地で新しい役割を得た
  • グッズ販売は2028年3月まで続き、ミャクミャクは現役の推しであり続ける
  • 物語のバトンは、2027年のGREEN×EXPO(横浜)へ渡されようとしている

本展の会期は2026年10月19日で終了していますが、アフター万博の動き自体は今も続いています。なお、万博の記録を手元に残したい人には、公式記録集や写真集の発行も報じられています。

万博の物語は、まだ終わっていません。このブログでも、アフター万博の動きを引き続き追いかけていきます。私たちが万博で撮った何千枚もの写真も、実は小さな「報道」の集まりなのだと思います。その場にいた人が、その瞬間を切り取って残す。このブログの記事が、その小さな記録の一つになれば嬉しいです。


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参考:2025年日本国際博覧会